Cisco NAT設定

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NATとは

NAT(Network Address Translation)とはアドレスを変換する技術のことです。
自宅のインターネット回線でも一般的に使われています。
主にローカルアドレスをグローバルアドレスの変換に使われています。
種類は2種類あり、最近ではほぼ、NAPT(Network Address Port Translation)別名IPマスカレードが使用されています。
NATとNAPTの主な違いは
NATは1対1の変換が基本となり、ローカルアドレスが100個あったら、変換後のグローバルアドレスも100個必要となります。
NAPTは多対1で変換が可能です。ローカルアドレスが100個あっても、変換後はグローバルアドレス+ポート番号(自動)で多数のローカルアドレスとの対応をします。

NAT設定コマンド

スタティックNAT設定(1対1)
(config)#ip nat inside source static (ローカルIP) (変更したいグローバルIP) 変換させるローカルIPとグローバルIPのマッピング設定
(config-if)# ip nat inside ローカル側のインターフェースに設定
(config-if)# ip nat outide 変換させたいインターフェースに設定

スタティックNATの変換時のキャプチャ(CiscoPacketTracerより)

送信パケット

戻りのパケット

こちらの例だとスタティックで10.10.10.10のみNATの設定をしているため、10.10.10.11はNATされずにServer(50.50.50.50)にパケットが届くが、ルータが宛先を知らないため破棄される
※普通はWANとつなぐルータは外部からローカルアドレスでの通信は侵入しないようになってますが、こちらはあくまで参考です

ダイナミックNAT設定

ダイナミックはアドレスのPoolを設定して多対多のNATを実施できます。

スタティックNAT設定(多対多)
(config)#ip nat pool (任意のPool名) (スタートIP) (エンドIP) netmask (サブネットマスク) 変換後のグローバルIPのPool(範囲)を設定
※自身のインターフェースアドレスでなくても設定可能
(config)#access-list (番号) permit (送信元のIP) (ワイルドカードマスク) ACLでNAT変換したいローカルIPアドレスを指定
(config)#ip nat inside source list (番号) pool (任意のPool名) 変換させるローカルIPとグローバルIPのマッピング設定
(config-if)# ip nat inside ローカル側のインターフェースに設定
(config-if)# ip nat outide 変換させたいインターフェースに設定
設定例
NAT変換のマッチングのテーブル情報
※1:変換後のIPアドレス+ポート番号 ※2:変換前のIPアドレス

下記のような設定をしても設定は出来てしまうので注意

変換後のグローバルアドレスを自身のルータで持っていないアドレス帯にしても設定可能となってしまうのですが、もちろんアドレスを持っていないのでパケットは自分に返ってこない為、ルーティングは成立しません。
NATテーブルとしては持ってしまいます。

NAPT(PAT)の設定

NAPT(PAT)は多対1のNATとなります。

スタティックNAT設定(多対1)
(config)#access-list (番号) permit (送信元のIP) (ワイルドカードマスク) ACLでNAT変換したいローカルIPアドレスを指定
(config)#ip nat inside source list (番号) interface (変換したいインターフェース) overload 変換させるローカルIPとインターフェースのマッピング設定
(config-if)# ip nat inside ローカル側のインターフェースに設定
(config-if)# ip nat outide 変換させたいインターフェースに設定
設定例
NAPTテーブル情報

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